僕の傘を探しに

26歳OLの雑記

昔の恋人に縋ることは、新しい出会いの可能性を潰してしまうこと【秋めく日の銀座デート③】

私はマッチングアプリで出会った28歳男性、Mさんと銀座デートの約束をし、ランチを食べた後コニカミノルタプラネタリウムを見に行きました。プラネタリウムの解説の中に、私の心の琴線に触れるナレーションがありました。

コニカミノルタプラネタリウムの中はカップルばかりでした。素敵な雰囲気の中、プラネタリウムが始まろうとしていました。私とMさんはシングルのシートに横になり、開演時間を待っていました。前日風呂に入っていない私は自分の脇の匂いに耐えながら、じっと天井を見つめていました。

そして開演時間になり、プラネタリウムが始まりました。

舞台はミクロネシア諸島の中にあるジープ島でした。まずジープ島の紹介から始まりました。昼の島内が映し出されました。ジープ島は無人島で、周りは見たこともないくらい澄んだ海に囲まれています。ジープ島内は樹齢何百年を誇る大きな木が数本生えているだけで、他には何もないようです。

紹介の際、ジープ島の向こうに広がる水平線が映りました。


いつも水平線を見ると、初めての彼氏に振られたときのことを思い出します。

大学生4年生の頃、初めての彼氏に、「就活が忙しいから別れたい」と言われました。私は、訳も分からずそれを黙って受け入れてしまいました。お付き合い自体初めてで、どうしたら良いのか分からず、そうするしかありませんでした。
振られた後、鎌倉にある由比ヶ浜へ一人で行き、ずっと泣いていました。
気が済むまで泣き終わると、ずっと海の向こうに広がる水平線を眺めていました。
この海の向こうには、どんな光景が広がっているんだろう。それを考えると、なぜか気が楽になっていました。

思い出している間に、いつの間にか夜のジープ島が映っていました。

無人島で、明かりひとつないので、この島からは星がよく見えるそうです。

そしてプラネタリウムらしく星の説明が始まりました。
この島から見ることのできる、南十字星と、北斗七星という星座の解説がされました。

続いて星雲の話が始まりました。
南十字星も、北斗七星も星雲という星の塊に属している、という話でした。様々な星雲が紹介される中、バラ星雲の紹介が始まりました。バラ星雲とは、オリオン座の隣にあるいっかくじゅう座の中にある星雲です。日本からも冬に見れるみたいです。ちなみに見た目はこんな感じです。

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結構有名な星雲らしい。きれいだよね

いっかくじゅう座とは、

暗い星ばかりで構成されているため、知名度は低く、存在を知らない方も多い星座です。 しかし、そのいっかくじゅう座の中には、薔薇とそっくりな形をした「ばら星雲」が輝いていて、こちらの天体の方が有名になっています。 

とのことです。記憶が曖昧だったので引用で補足しました。


その説明のとき、ふとSさんを思い出しました。

3年前マッチングアプリで出会ったSさんとは、1輪のバラを渡しながら、告白してくれた人です。

星を見にきたのに、バラの話をされるとは想定外でした。忘れられない思い出ほど恐ろしいものはないのかもしれません。
説明を聞きながら、Sさんは何億光年も先の、遠い世界にいる人のように感じました。Sさんは遠くにいる。今私の横にいるのは、別の男性、Mさんです。Mさんとのデートを楽しもうと思ったのに、こんな風に思い出していては、次にいけないよ。どうして前に進もうとしているのに、こうやって思い出させるような出来事が起こるのでしょう。私の思いとは裏腹に、バラ星雲は他の星雲よりも、美しく見えました。

考えていると、いつの間にか星雲の話は終わり綺麗な星空が映っていました。

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そして少し高い穏やかな口調で、「全ての生命は、この星空のようにみなひとしく、光り輝いているのです」とナレーションが入りました。

すべての生命は、ひとしく輝いている。もしそうだとしたら、Sさんだけが光り輝いているわけではないはずだ。他のまだ出会ってもない世界中の何十億人という男性たちが、全員Sさんより魅力的でないことなんて、あるのだろうか。確かに私にとってSさんは光り輝いているように見える。でも、他の人だって同じように光を放っているはずだ。だって、生命はみな同じように輝いているのだから。

私は、まだ会いもしていない男性を、会う前からSさん以下に違いないと決めてつけていたのです。そんなはず、ない。きっと、Sさんより素敵な男性だっているはずだ。私を好きになってくれるかは分からないけれど。きっと、いるはずだ。人が放つ魅力を、光を感じようとする限り。過去に縋りたくなる私とたたかい続ける限り。あきらめない限り。きっと、見つかるはずなの。だから私はSさんにばかり執着していちゃいけないんだ。執着していると、Sさん以上に素敵な人と出会える可能性が潰れてしまうかもしれない。そしてそれはこれから出会う男性にだけ言えることではありません。もちろん、私自身にだって。Sさんと同じように、光輝いているところがあるはずなのです。だから、Sさんに振られたからと言って、自己嫌悪に陥ってはいけないのです。

私は、諦めてはいけない。素敵な出会いが、バラ星雲のように何億光年先の未来にしか待っていないとしても。

そこまで考えたところで、過去から現実に引き戻されたような感じがしました。

そして横目で、Mさんを見ました。Mさんは、静かにじっと画面を見つめていました。寝てはなかったようです。

私、ちゃんとMさんに向き合わなきゃ。そう思っていると、プラネタリウムはいつの間にか終わっていました。


バラ星雲についての解説はこちらのサイト→ばら星雲 | 天体写真の世界
からの引用と、コニカミノルタプラネタリウム

planetarium.konicaminolta.jp

から一部引用しています。

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Mさんとのランチ~プラネタリウム鑑賞の前までのこちらからどうぞ。

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Mさんとマッチ~デートまでの話はこちらからどうぞ。

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