僕の傘を探しに

26歳OLの雑記

お酒の飲みすぎで、生まれて初めて失態を犯してしまった話【オタク女、恋をする。4】

この記事は、生まれて初めてしたデートの話【オタク女、恋をする。3】の続きです。

過去の記事はこちらからどうぞ。

 

momokoara0402.hatenablog.com

 

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 Iさんとの初めての映画・ナンジャタウンデートが終わり、私は久しぶりに遊んで少し疲れながらも、デートの余韻に浸っていました。Iさんは、就活、恋愛で困っている私の相談に乗ってくれていたし、オタクである私を受け入れてくれたし、私の知らないことを知っていたし、なによりイケメンでした。そんなIさんを、私はすっかり好きになってしまっていました。

 

この後も、次、また遊ぼうとIさんからLINEが来て、私はまた浮かれていました。

次は、五反田にある「原価バー」に行くことになりました(現在は閉店しています)。

 

ここは、入場料として3,000円払えばあとは原価でお酒が飲めるお店でした。中でもハイボールはかなり安く、一杯30円で飲めるようでした。とにかくお金がない、が口癖のIさんは、ここなら安くお酒が飲めそうだから、また行こうと誘ってくれました。

 

私は、実はお酒があまり得意ではありませんでした。というのも、当時私はサークルに所属しておらず、まともに大学に友達もいなかったので、お酒を飲む機会がほぼありませんでした。だからなのか、数杯お酒を飲むだけで酔いやすかったのです。

また、Iさんと行くのは比較的安い居酒屋が多く、私はそういうところのお酒の味があまり好きではありませんでした。今でも、そこで飲む変なアルコールのカクテルとか、焼酎よりも、ずっとジュースの方が美味しいと思っています。でも、Iさんは、そういうところのお酒は、基本は別に美味しくないけれど、飲み会の席を楽しむために飲むんだよ、と教えてくれたので、そういうものなのだと思っていました(まあ、間違ってはない)。

そんな私に対してIさんは、お酒がとても強い人でした。飲んで失態を犯したことはほんの数回しかなく、食事のときIさんはよく一緒に水を飲むので、その感覚でお酒も飲めるんだ、と言っていました。

居酒屋に行くと、度々俺1人で飲むのは寂しいから、君も頼んで、と追加でお酒を頼ませようとしてきました。私は当時も断るのが苦手な人間だったので、その場の空気に流されて、もう飲みたくない、という気持ちを抑えて頼んでいました。何度も我慢して飲んでいたので、体調的にもとても辛く、正直あまり無理したくないし、お酒を断りたいと思う私を受け入れてほしいと思う気持ちもありました。でもそれ以上に、大好きなIさんが他でもない私と一緒にお酒を飲みたいと思ってくれているなら、頑張ってみようと思いました。また、原価バーも、Iさんが行きたいと望むなら叶えたいと思いました。だから、Iさんの誘いに応じることにしました。

 

そして、原価バーでの飲み会の日になりました。

私たちは五反田駅に集合し、原価バーのある建物へ向かいました。この日はIさんはの方が早く到着していたと思います。今でも五反田駅はよく行くので改札を通るとき、たまにですが、改札越しに私を待っていたIさんの姿を思い出します。

 

原価バーでは、カウンターに2人で横並びに座り、メニューの中で一番安かったハイボールを注文しました。ここのハイボールは居酒屋で飲むようなハイボールよりずっと苦く、アルコール濃度も高かったため、飲み切るのに苦労していました。Iさんに、これ、苦いよ…と言うと、Iさんは、安いところのより濃いってことだよね、と言い、いつも通り飲んでいました。

私は、一杯目のハイボールを飲んだ時点で、「あ、これはやばい、Iさんと飲むぺースを合わせられないかもしれない。」と気づきました。

案の定私はこのお酒、強いからあんまり飲めないかもしれない…とIさんに言うと、Iさんは残念そうにしていました。Iさんは、「ワインは飲んだことある?」と聞いてきました。私は「飲んだことはないけどもうこれ以上飲めそうにない…。」と言いました。でもIさんは、「それなら飲んでみよう。ワインの注文は1本からだから、一緒に飲んでくれないと、俺も飲み切れないと思う。」と言ってきました。

確かもう一度飲めないと言った気がしますが、Iさんがあまりにもしつこいので、諦めて赤ワインを飲むことにしました。

そして、ワインが瓶で運ばれてきました。あの日ほど、ワインの瓶が大きく見えたことはありません。瓶の中には、到底私が飲み切れないであろう量のお酒が入っていました。私は、青ざめました。

Iさんは、ワイングラスにワインを注いでくれました。気分が悪かったのですが、なんとか私はグラスに口を付けました。赤ワインって独特の渋さというか、癖がありますよね。ブドウジュースは大好きでしたが、ジュースのように甘くないし、あまり好きではありませんでした。Iさんに、「渋いからあんまり好きじゃないし、もう飲めそうにない。」と伝えると、不機嫌そうに「頼んじゃったのにどうしよう」と言われました。

 

でも私もこれ以上飲んだら吐きそうだったので、一歩も譲らず、最終的にある程度Iさんが飲んでから、飲みきれない分は残して帰ることにしました。

 

解散する流れでしたが、私がもう少し話したいと言ったのか、Iさんがそう言ったのか忘れてしまいましたが、終電間近で、空いている店もあまりなかったので近くのドン・キホーテにとりあえず入りました。

 

ドン・キホーテで、Iさんは何か迷っているというか、話を切り出したそうな様子でした。私は、そんなIさんに、「どうしたの?大丈夫?さすがに酔った?」と聞きましたが、一向に「いや、そこまで酔ってない。大丈夫。」と返されてしまいました。

 

何を考えていたのかは今でも分かりませんが、Iさんは私をホテルに誘おうとしていたのではないか、と思います。ドン・キホーテなら、コンドームも買えるでしょうし。

時間も異様に遅かったし、今思っても明らかに小柄で弱そうな私を、原価バーなんて強いお酒ばかりが出るお店に連れて行き、飲めないと言っているのにワインまで飲ませてきたのです。接待とかでなく、友人同士なのですから、そんなにお酒を飲み続ける必要はありません。そもそももう飲めないと言っている人に対して、それ以上勧めるのは接待だろうと友人だろうと、マナー違反であるはずです(これは後にマッチングアプリであった1に教えて貰ったことですが)。

 

後日私はIさんに、「もしかしてあの時私をホテルに誘おうとしてたでしょ?」と聞きましたが、「いや、違うよ。」と言っていました。でも、今思ってもあのドン・キホーテに入ったときのIさんは少し不審だったと思います(笑)。

 

とにかく、無駄にドン・キホーテで時間を潰し駅の改札でも散々話した後、私たちは解散する流れになりました。電車に乗ろうとすると、もう、私が乗る予定だった電車の終電時刻を過ぎていました

どうしよう、と慌てる私に、Iさんは、逃した私が悪いと言いたげな様子でした。私は一瞬「この流れでホテルに連れていかれたらどうしよう」という考えが頭をよぎり、ドキドキしながらもIさんにどうしよう…と相談しました。そんな私に対してIさんは、「いや…わからない、自分でなんとかして。」と言いながらも、ホテルをとってそこに泊まるのが安全だけれど、お金がかかるし、漫画喫茶はお金は安いけれど安全かはわからない、と少し相談に乗ってくれました。

 

私は、いろいろ考えた後、五反田からタクシーで自宅まで帰ることに決めました。それを伝えると、「とにかくどうにかなりそうでよかった。じゃ、俺帰るから。」と言って颯爽と帰っていきました。確かに私も名残惜しくてもう少し居たいとか言って改札前でIさんを引き留めてしまったので、終電を逃したのは私のせいでもありますが、少しでもいいから私の心配をしてほしかった…と思いました。

Iさんも終電を逃したことがあるらしく、その時は歩いて帰って大変だったと言っていたので、その大変さを知っているなら無理矢理でも解散しよう、と言ってほしかったし、解散を切り出さなくても、終電を逃した女性って、明らかに犯罪に巻き込まれる可能性も高いし、変な話性被害に遭う可能性だってあるし、さっさと帰らないで少しでもいいから心配してくれればいいのに、と思いました。

そう、Iさんは、どんなに仲良くなろうと、自分は自分、他人は他人、と考えている、ある意味自分と他人の線引きをしっかりしている人だったのです。

 

とにかく少し傷つきながらもタクシーに乗るため五反田よりも少し地元に近いであろう品川からタクシーに乗ることにしました。このとき、私はお酒の飲みすぎでかなり気分が悪かったのですが、なんとか耐えて電車に乗りました。

 

品川に着いた途端、急にまた気持ちが悪くなって、駅のホームで、線路に向かって吐いてしまいました。JRの職員の方々、本当にごめんなさい。

少しスッキリした私は、品川駅を出てタクシー乗り場に行きました。なんとかタクシーを捕まえ、私の行き先を伝えました。

これでなんとか帰れる…と思った矢先、また気分が悪くなり、タクシーのおじさんに窓を開けてもらい、吐きそうになる度に窓から顔を出し、車内で吐かないようにしました(そのときはエチケット袋なんて持っているはずもありませんでした)。

 

運転手さんを困らせながらも、なんとか家に着きました。そして、請求された金額は、1万円を余裕で超えていました。私は、タクシーの高さに驚愕しながらも、私は財布を取り出し、料金を払おうとしました。…が大学生の財布にそんな大金が入っているはずもなく、5,000円も足りませんでした

私は泣きそうになりながら、運転手さんに、「必ず払いますから、一度家に取りに行かせて下さい。」と懇願しました。運転手さんは訝しげな顔をしながらも、なんとか了承してくれました。

酔っ払い、慌てた私は家に帰り、なぜか既に寝ていた母を叩き起こしながら、「今、タクシーで帰ってきたんだけど、5,000円お金が足りなくて…。返すから5,000円今出して。」と言いました。

母は、寝ぼけていたのか、私があまりにも慌てていたからなのか分かりませんが、何も言わずに5,000円を出してくれました(お母さんほんとにありがとう)。

私は速攻タクシーに戻り、謝りながら足りなかった5,000円を支払いました。

 

そして、無事に私は家に着いたのでした。今思うと漫画喫茶に泊まった方が安く済んだと思っています(笑)。

そして、タクシーの運転手さんにも、母にも情けない姿を見られ、迷惑をかけてしまって申し訳なかったな…と今でも思っています。