僕の傘を探しに

26歳OLの雑記

お化け屋敷デートで自然に手を繋ごうとしたら、全く自然じゃなかった件【オタク女、恋をする。5】

この記事は、お酒の飲みすぎで、生まれて初めて失態を犯してしまった話【オタク女、恋をする。4】の続きです。過去の記事はこちらからどうぞ。

momokoara0402.hatenablog.com

momokoara0402.hatenablog.com

momokoara0402.hatenablog.com

momokoara0402.hatenablog.com

 

Iさんと一緒に原価バーへ行き、終電を逃してしまった私はなんとかその日、タクシーを捕まえることができたのでした。でも捕まえたタクシーの中で吐きそうになったり、到着後料金を払おうと思ったらお金が足りなくなり、泣きそうになりながら母に借りに行ったりし、散々な目に遭ったのでした。

 

確かその日、IさんからLINEで無事に帰れた?とメッセージが来ていたので、とりあえず帰れた旨を返信し、その日は疲れたのでそのまま風呂にも入らずに寝たのでした。

 

次の日、大学に行く前、母から、昨日何があったのか少し聞かれました。私は、正直に友達とお酒を飲みすぎて駅で吐いてしまったこと、終電の時間をしっかり確認していなかったので逃してしまい、なんとかタクシーで帰ってきたけれど高額だったため料金が足りなくなってしまったことを素直に話しました。

私は遊んでいう友達が男性であるとは言わなかったのですが、同じ女性だからなのか、母はなんとなく私が好きな男性と昨日遊んでいて終電を逃したことを察しているようでした。母は、「もう少し自分を大事にしなよ。」と言う言葉を残し、キッチンへ戻っていきました。

確かに。自分でもそう思いました。でも、それに気づいたときにはもう手遅れでした。自分を大事にしようと思うことを忘れてしまうくらい、もう既にIさんに夢中になっていたのです。

 

それから、私の頭の中はIさんのことで一杯でした。Iさんと、次はどこに行こう、と想像しながら毎日大学に通い、Iさんとの話題を作るためにも毎日インターンシップの情報を集め、時には参加し、休みの日にはIさんと出かけるときに来て行ける服をさらに買い足していました。服は、安い物はもうやめて、バイト代を使って少し高い物を買いそろえ、化粧もいろいろネットやyoutube、本などで研究していました。

次第にIさんを好きになる前よりも私は垢抜けいきました(あくまで私の思い込みかもしれませんが)。いつの間にか大学で彼氏はできなさそうだと言われることもなくなっていました。

 

IさんともLINEでやり取りを続け、その後も何度か居酒屋にお酒を飲みに行っていました。そして、私は、Iさんに、お化け屋敷は苦手だけど、どうしてもお化け屋敷に行きたいという、完全に矛盾したお願いをIさんはなんとか了承してくれました。

 

でも、私はお化け屋敷が苦手でした。当時お化けが怖かったのももちろんありましたが、主に真っ暗な中を歩くのと、人に驚かされるのが苦手でした。でも、お化け屋敷なら、自然とIさんともう一度手を繋げるかもしれない、そう思いました。ましてや、私はせっかくお化け屋敷が苦手なのだから、行けば可愛くIさんに甘えられるチャンスをゲットできると思ったのです。当時の私は、もう止まりませんでした。Iさんの彼女になれるなら、なんだってするんだと思っていました。

 

そして後日、Iさんは、東京ドームシティのお化け屋敷に連れてきてくれました。

でも、流石にIさんは苦手なのにお化け屋敷に行きたい私を見て当日は不思議がっていました。本当に大丈夫だよね?と何回か確認されました。とにかく苦手だけど絶対にいける、とかなり強引に押し通しました。このときの私は、Iさんとどうしても手を繋ぎたかったのです。当時の私には、他に自然に手を繋ぐ方法は、思いつきませんでした。

 

私たちはお化け屋敷のチケットを買い、中に入りました。人はおらず、機械のおばけが驚かせてくるタイプのお化け屋敷のようでした。

入ってみると、中は真っ暗でした。私は、「あ、これは本当に駄目なやつだ。」とすぐに気づきました。固まって一歩も進めない私を見て、Iさんは「やっぱりね」というような呆れた様子で私を見ていました。さっさと私を置いて先に進もうとするので、「待って…!」と手を差し出すと、まんざらでもないように手を繋いでくれました。今思うと、これは本当に自然に手を繋ぐ方法だったのでしょうか。無理矢理お化け屋敷に連れていけ、私は絶対にいけると騒ぎまくり、挙句に一歩も進めないなんて明らかに不自然です。というか、普通に居酒屋でお酒を飲んだ帰りにどさくさに紛れて手を繋げばよかったのです。でも、当時の恋愛経験0の私に、そんな発想はあるはずもなく、こんな遠回りで迷惑なやり方しか思いつかなかったのです。

そんな私に対してIさんは全く怖がっていませんでした。普通の道を歩くようにすたすたと前を進んでいきます。でも、少し手に汗がにじんでいたから、驚いてはいたのかもしれません。私は「ギャー!!」と叫びまくりながら、Iさんに手を引かれるまま進むしかありませんでした。手を繋げたはいいものの、可愛く甘える余裕なんて全くありませんでした。

 

そして、私たちはなんとかお化け屋敷を出ることができたのでした。

Iさんは、「絶対いけるって言ってたのに、全然駄目じゃん」と私に言ってきました。「入る前はいけると思ったけれど、無理だったみたい。」と返す他ありませんでした。Iさんは苦笑いしていました。

この後、また2人で居酒屋にいってお酒を飲みました。Iさんといつも行く居酒屋は同じところでしたが、私はIさんと一緒に居られればどこだって良い、そう思っていたので特に不満はありませんでした。

 

そしてその日は解散しました。

 

イケメンで高学歴でチャラい文系大学生であるIさんと、地味で特に学歴もなく、ブスな自分が釣り合う訳がないけれど、Iさんを好きになってしまって、この気持ちをどうにもできない。誰かに吐き出さなければ、私は生きていけないだろう(メンヘラ炸裂)。そう思い、私は久しぶりに高校の同級生に連絡し、会うことになりました。同級生2人に、今まであった経緯を全て話し、遅刻してきたり、Iさんは時折自分の意見をうやむやにしてきたりと少し不審なところがあるけど、一体何を考えているんだろう…となぜか相談していました。同級生たちとIさんは別の人物ですし、そんなことわかるはずがありません。それでも、2人はひたすら私の話を聞いてくれました。今思うと私はIさんは客観的に見て信用できる人物だと2人に言われたかったのでしょう。

でも、Iさんの言っていること、例えば、女性として魅力的だ、とかをそのまま信じてはいいのか、一番疑っていたのは私だったのです。私の主観がごちゃまぜになった話を聞いて、信じて大丈夫だ、と言えるはずがありませんでした。4年経って色々考えても、Iさんは本当に気分屋で、意見がコロコロ変わり、どこかつかみどころのない人物だったと思うくらいなのです。

当時の私に絶対にIさんを信じても大丈夫だと思えるはずがありませんでした。