僕の傘を探しに

26歳OLの雑記

「ゴッホ展 響きあう魂 へレーネとフィンセント」が最高である3つの理由【絵の知識ありません】

せっかく涼しくなってきたから、どこかへお出かけしたい。芸術の秋を楽しみたい。

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秋といえば、芸術の秋

そんなあなたにおすすめしたい場所があります。

この秋、東京都美術館で開催されている「ゴッホ展」へ行くのはいかがですか?

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私は、デート場所を提案するため「ゴッホ展」にマッチングアプリで出会った男性を誘いました。しかし、デートそっちのけでゴッホ作品に見入ってしまいました。それくらい良かったです。(いいのか?)

今回のゴッホ展、凄いんですよ。なんといってもゴッホ作品がかなりの数展示してあります。さらに、何が書いてあるか全くわからない絵が無かったので、美術の知識が全くない人でも楽しめる展覧会だと感じました。言うまでもなく、かの有名な「プロヴァンスの田舎道」は絶対に見るべきです。

ゴッホ展が素晴らしいと思った理由を詳しく3つご紹介していきたいと思います。
ちなみに、私はまったく美術に詳しい人間ではありません。なので、一般的な26歳OLから見て凄いと思った理由になります。


館内は撮影禁止なのでもちろん写真は撮っていません。頑張って文章で良さを伝えて行こうと思います。
以下にゴッホ展の展示構成のURLを載せておきますね。少しですがネットで展示作品の写真が見れます。

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ゴッホ作品が、多くて凄いから

かなりの数のゴッホ作品が展示されています。これは、ゴッホ展で配布されていた展示リストです。一部をピックアップしてみました。左の番号が作品番号です。

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(ほぼ)ぜ~んぶ、ゴッホね、ゴッホだらけでしょ?そう、全68作品中48作品がゴッホの作品です。前半の20点の中に、人物画で有名なルノワールの作品が1点、ステンドグラスの絵みたいなモンドリアンの作品1点などがありました。

さすが、「ゴッホ展」と名付けるだけあります。なぜこんなに多いかというと、この「ゴッホ展」は、世界一のゴッホ収集家、へレーネ・クレラー=ミュラーが集めた「クレラーミュラー美術館」から借りてきている作品たちだからです(一部ゴッホ美術館から借りてきているものもあります)。美術に明るい方ではありませんが、それでもゴッホ作品が余すことなくずらりと並んでいるのを見て圧巻されました。

美術展って、目玉の絵を描いた画家の生きた時代、流行っていた作風の紹介が大半を占めることが多い印象を抱いていました。美術展の種類によるのかもしれませんが。なので、目玉の画家の作品がこんなにずらりと並んでいるとは思わず、驚きました。

こんなたくさんのゴッホ作品に囲まれる機会なんて、もうないと思っています(笑)。
コロナで海外なんて行けたもんじゃないですし。もうこれだけで、行く価値があると思います。


②素描が上手すぎるので、ゴッホの絵に苦手意識がある人でも楽しめるから

とはいえ、「ゴッホの絵、落書きっぽくてあんま好きじゃない」と思っている方もいるでしょう。何を隠そう、私がそうでした。ロンドンナショナルギャラリー展で「ひまわり」をみたけれど、「なんか黄色い絵だなあ」という感想しか出てこなかったくらいです。正直に言ってしまうと「行っても、あんまり好きな絵が見つからないかもしれない」と不安に思っていた部分もありました。しかし、全くそんなことはありませんでした。

ゴッホ展」では、ゴッホの油絵の展示に行く前に、素描の展示が20作品くらいあります。

ゴッホが書いた白黒の素描は、光の当たり具合がかなり研究されており、かの有名な風景画たちより写真に近いと感じました。写真に近くはありますが、確かに人が描いたような温かみを感じさせるような絵です。でも何が書いてあるか分からないような絵ではないので、美術が苦手な人や、絵に詳しくない人でも楽しめると思いました。

素描は、風景画もありました。でも意外なことに人物画が多かったです。ゴッホは風景画の方が有名なイメージがあったので、「まあ、風景画には勝らないでしょ」と思って舐めてかかっていました。でも、人物画の素描も最高でした。

そこには、漁業や、農作を営む人々がたくさん描かれていました。裕福ではないけれど、日々懸命に働く姿。結局、世の中お金じゃないのかもしれません。「お金持ちでも、貧乏でも、どんな性格の人でも。懸命に、一心不乱に頑張っている姿って綺麗じゃない?」と左にゴッホが仁王立ちしながら言っているような気がしました。仁王立ちは冗談ですが、平凡な日々の中をこんなに美しく切り取れるゴッホの感性の素晴らしさには本当に感動しました。

その中でも、「祈り」という40代女性が座って祈っている素描が好きです。女性の顔には深い皺が刻み込まれていました。目の前で、静かな教会で、真剣に祈りを捧げている女性を目にしたような気持ちになりました。何かにすがりつきたくなるときって、あるよね。

プロヴァンスの田舎道が異彩を放っているから
私だって、こんなみんなが知っているようなこと書きたくないですよ。でも書かなきゃいけないと思ってしまうくらい、あの絵は凄い。

プロヴァンスの田舎道は、最後から二番目の位置に展示してありました。でも展示室に入ったときから、遠目に見てもこの絵だけ異彩を放っているように感じました。

もちろん絵の周りには人が固まっていました。必死に人と人の間から見てみると…

プロヴァンスの田舎道」には、真ん中に糸杉、左に満月のような丸い明かり、右に三日月が描かれていました。

糸杉の向こうに広がる夜空は、私が26年間見てきたどの夜空よりも澄んでいるように感じました。ネット、ポスターでみたプロヴァンスの田舎道より、断然美しく感じました。

ゴッホには、こんなに夜空が澄んで見えてたんだ。じゃあ、きたない物は、もっときたなく見えただろうな。お金に執着する人。生きている人間との離別。損得主義。ゴッホにとってのきたないものは、今の世にも、きっと昔の世の中にも溢れていたに違いない。どんなに目を逸らしても、逸らしきれなかっただろうな。だから、さぞかし生きるのが辛かっただろうな。

でも、どうして満月みたいな明かりと、三日月が一緒に描かれているんだろう。私はこの絵を見てからずっと考えていました。今思えば、あの満月は、「手に入れたかったけれど、手にいれられなかった未来」を表しているように感じました。満月が出てればよいのに、と思っていたけれど、三日月しか出ていなかった。実際に出ていた三日月と、出ていてほしかった満月を一緒に描くことで、「手に入らなかった明るい未来、どうやってももう手にすることのない未来」を表現しようとしたのかな、と思いました。

私にとっての「手に入れたかったけれど、もう手にすることのない儚い未来」。
それは、3年前別れた元カレSさんとの未来でした。私はゴッホの絵を通して、今を生きるSさんに思いを馳せたのでした。

という具合に、感傷に浸ることもできます。


これから「ゴッホ展」に行ってみようと思っている方は、事前にチケットを必ず購入してください。ちなみに入場時間別にチケットを購入する必要があります。期間は12月12日まで開催しています。しかし、来場日の21日前の日時でしか予約が取れないようになっているのでその点もご注意ください。

 

おまけ:「プロヴァンスの田舎道」以外の好きなゴッホの油絵

「レストランの内部」
開店前の華やかなレストランの様子が当時流行っていた点描で描かれています。可愛い絵です。
きっと開店したら綺麗なドレスを着た女性と、素敵な男性が一緒にゆっくり食事をとるのでしょう。夕食時には、賑わう店内に、楽しそうな人の笑い声がきっと、聞こえてくるんだろうな。そういう綺麗なお店に来た時って、自然と気分が上がりますよね。開店前の絵なのに、なぜか胸が弾むような浮かれた気分に浸れました。

「種まく人」
まず前半20点のところでゴッホの「種まく人」を模したパート・ファン・デル・レック作の「種まく人」の絵が見れます。かなり簡略化された人の絵で「変なポーズをした人の絵」としか思いませんでした。

でも、後半ゴッホの油絵「種まく人」を見たときに「あ、そういうことね」と分かりました。ゴッホの「種まく人」は、絵の真ん中に後ろ向きに片手で種をまく農家らしき男性が描かれています。パート・ファン・デル・レックが描いた「種まく人」と農家の男性は、同じポーズをしていました。さらに、その男性の後ろには太陽が差し込み、神様のように見えました。以前コニカミノルタプラネタリウムで聞いた、「生命は、みなひとしく輝いている」という言葉をふいに思い出しました。

青い花瓶の花」
花や花瓶は印象派の手法を参考に描かれ、背景は当時流行っていた点描で描かれています。よく見ると分かります。この絵、以前見たモネの絵にそっくりな気がしましたが、偶然でしょうか?でもかわいくて好きです。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

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マッチングアプリで出会ったMさんとゴッホ展に行ったときの話。

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Mさんとの新宿デートについてはこちらからどうぞ。

 

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