僕の傘を探しに

26歳OLの雑記

年収が低いと幸せになれないなんて、私は絶対に信じない

家具が揃い、私の悩みは1つ減った。

そのことに安堵していた。

そんなことをしていたら、いつの間にかあっという間にクリスマスが近づいてきていた。

家具の組み立てをした日、クリスマスの予定を決めた。


しゅうたがお店の予約を取ってくれた。
当日も、普通の恋人、いや学生のようにはしゃいであっという間に過ぎ去った。

なんだかんだで、25、26日2日間一緒に過ごした。

初めて一緒に夜を明かした。

シングルベッドに2人で寝るには狭すぎたからか、一睡もできなかった。
一睡もできなかったが、くっつている間だけは、仕事のことも、将来のことも、家事も、家具のこともどうでもよく思ってしまうくらい幸せだった。

これまでやりたいことをやっている人生が、一番幸せなのだと思っていた。
YouTuberのような人生が正解なのだと思っていた。

やりたいことが特にない自分は幸せになれないと思っていた。でも本当はそんなわけがないとも分かっていた。

おそらく頭では理解していたつもりだったが、心から納得はしていなかったのだろう。

そんな思い込みでがんじがらめになっているとき、音も聞こえない、周りも見えない深海にいるような息苦しさを感じた。

かすかに自分を救ってくれるような光を感じることもある。でもそこに目を向ける気力すら湧かない。

すぐに立ち直れないくらい精神的に落ち込み、もう2度と這い上がってこれないかもしれない恐怖に震えることもあった。

同じ静寂ではあるが、今回は違った。

暗い中、しゅうたが私の方に身を寄せてくる。

そのとき、しゅうたを暗闇の中にある一筋の温かい光のように感じた。
暗く静かな中、私の目の
前にあるかすかな光。

それさえあれば、幸せなんじゃないかと錯覚してしまうほど、これがあれば大丈夫だと確信したくなるほど、温かく感じる光。その光は、「お前はこう生きるべきだ」という外の世界の雑音から私を守ってくれているような気がした。


我ながらこんなくさいことを書くなんてどうかしている。本当にそう思う。

でも、何事もなく終わったわけではない。

事件は、26日の別れ際に起こった。


私たちは最後、銭湯でサウナに入り、夕食を食べて解散した

事の発端は、夕食時の年収の話だった。

会話の流れで、ふいに私の年収を聞かれた。
去年は手取りで270万だったと言った。彼は驚いていた。
まさかここまでお金がないとは思っていなかったようだ。

後から聞いた話だと、バチェラーデートでは、男性は女性の年収を確認することができないらしい。
そんなことを知るはずもない私は、てっきり年収を見たうえで納得して私と付き合っているのだと思っていた。

「俺だったらどうやって生活して良いかわからない」

確かにそう言われた。

一応少し昇給したので来年は手取り300万くらいはいくと思うのだが、確かに世間一般的には高い方ではないだろう。
稼ぐ能力がないと思われても、仕方がない金額ではある。


さらに、私は一般職だ。アピールできるスキルなど何もない。
転職したとしてもすぐにたくさんお金を稼ぐなんて不可能に近かった。

ずっと一緒にいるには、好意だけでは、ダメなのだろうか。そんなに現実は甘くないのだろうか。
お金が無さすぎると、どうやっても幸せになれないのだろうか。

父は、母よりお金を持っていた。
これだけ聞くと当たり前だろうと思われるだろうが、自営業をしている父と、キャリアのない母の年収は5倍くらい違うと思う。

父はお金があるが、浮気して家を出ていったせいで、血の繋がった子どもに嫌われている。
離婚した父にとっては、家族は父の母と父だけだろう。

離婚した当初は生活に苦しむ母よりも裕福で、家族を守るよりもやりたいことがある父の方が幸せなのだと思っていた。

でも、「子どもを捨ててでも仕事がしたい」と言った父は、なぜか私の連絡先を手に入れ、今でもLINEを送ってくる。

本当に幸せなら、捨てたものにすがりはしないだろう。

「金が全てだ。年収が人の価値を決めるんだ」そう言いつつ捨てた子どもに必死に連絡をしてくる哀れな父は、私にとって反面教師でしかなかった。

父が不幸に思えてしまうのは、すなわちお金があっても幸せにはなれないと私自身が思っていることでもある。

年収で私のことをかわいそうだと言うしゅうたは、大嫌いな父と何が違うのだろう。
彼も父のようにお金が全てだといい、すべてを失う人生を送るのだろうか。

私はしゅうたに失望していた。しゅうたは、お金で人を判断するような最低な人間だったのか。

いや、そういう考え方自体はあってもよいけれど、私とは根本的に合わないだろう。
信じたかったけれど、もう無理だ。しゅうたに付いていったら、私は不幸になってしまう。


私は年収が低いと幸せになれないなんて、絶対に信じない。だからしゅうたのことも信じたくない。
私が心から信頼している異性はこの世で弟だけだ。恋人ができても
変わることなどなかったのだ。

そう思ってしまうくらい、何もかもがいやになっていた。

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