僕の傘を探しに

26歳OLの雑記

どうしてこんなに人に頼るのも、信じるのも難しいんだか

しゅうたの家に行った後、悩んでいた。

2回目のデートで、体の関係を持つなんて、早すぎるのではないか

いつ関係を持つかなんて、本人たちで決めることに決まっている。正解などあるはずがない。
頭ではそう理解しているつもりだったが、気持ちはついていかなかったようだ。

「付き合った後どのくらいで体の関係を持つべきか」その答えを探すべく、Googleで早速検索をかけた。

少し調べると、平均して1ヶ月後と答えが出た。
まだ交際し初めて数週間だった。平均と比べるとどう考えても早い
軽い女だと思われただろうか。しゅうたは私のことを本当に大切に思っているのだろうか。


だんだん疑心暗鬼になってきた。


そんななかで、一週間先延ばしになっていた昭和記念公園の紅葉を見に行く日になった。

当日は立川駅で集合だった。
新宿付近でのデートが多かったので、遠出できるのが嬉しかった。

しゅうたおすすめの台湾混ぜそばを一緒に食べた後、昭和記念公園へ向かった。


しかし、時は12月。いちょうはすっかり枯れていた。
枯れ葉だらけの風景を見ながら冬の訪れを感じた。

寒かったが、せっかく来たので一緒にベンチに座った。

「俺、少し体調悪いかも。」
「あ、本当に?帰る?」
「いや、せっかく来たからもう少し見ていこうかな」

「そう?無理しないでね」

「なあ。俺がもしコロナみたいな感染症になったら、一緒に死んでくれる?」

え?どういう意味?
それを言う意味が分からない。

何か不安なことでもあるんだろうか。

今思えばそんな深い意味があるとは思えない。
彼はなにも考えずに
しゃべっているし、もうこれを言ったことすら忘れているだろう。

怖かったので「いや…死にたくはないかな」と冷たく突き放した。

「…そっか。じゃあ俺一人で死ぬわ」と少し悲しげな声が返ってきた。

本当に自分がコロナだと思っていたのだろうか。


その日は彼の言う通り夕御飯を食べずに早めに解散した。


結局しゅうたへの疑いは晴れるどころが深まるばかりだった。

付き合ったときも、「お互い相手がいないなら付き合おう」と言わ
れた。
じゃあ、もっと良い相手ができるまでだけの関係なのだろう
か。
明るい未来を思い描いてはいけないのだろうか。

やっぱり、クリスマスの日程を埋めたかったのだろうか。

数年前、一度だけクリスマスの予定を埋めるためだけにマッチングアプリで男性と会ったことがある。
もちろんクリスマスまで遊んでその男性とは関係が終わった。向こうは好意を抱いてくれていたが、男性として良いと思えなかったのだ。

これまで、人を傷つけたりもてあそんできたが、自分が相手側の気持ちになる日が来るとは思っていなかった。

本当に自業自得だ。


もう1つ、気になっていることがあった。


しゅうたはいつも家事のことを聞いてきた。

私は家事に全く自信がなかった。一人暮らしを初めてから半年以上経つが、部屋にはちゃぶ台とデスクトップパソコンしかなかった。

家電は電子レンジと冷蔵庫、ガスコンロだけだった。一応最低限揃っていたが、マッチングアプリで彼氏探しをしていた最中は忙しくて自炊など全くしていなかった。
毎食コンビ二に食べたいものを買いに行っていた。


ただダイエットは頑張っていたので、食べていたのは高タンパクで低糖質なものだけだった。

でも毎回その話をされるので、いつしか家事能力を試されているような気持ちになっていた。

この後の話はブログでも少し書いているし、友人たちもしゅうたも散々聞かされている内容でもある。

不安になった私は勝間和代のロジカル家事を読み漁り、必死で「楽して家事をする」方法を考えたのだった。

全く好きなことをする時間はなかった。

毎回Amazonで役に立ちそうな家電を探しては購入し、届いたら梱包を解いては説明書を流し読みし、機械に慣れる練習をした。

食洗機、衣類乾燥機、ホットクック、お掃除ロボット、さらに床拭きロボットのブラーバ。特に食洗機と衣類乾燥機は大きく、梱包を解き、設置をするだけで一苦労だった。


さらに彼は私の家をそのうち見てみたいと言った。

ちゃぶ台しかない家に、彼氏を呼ぶ勇気などなかった。

ネットでテーブル、ソファ、ベッドマットレス、ベッドフレーム、シーツ、布団カバー、ハンガーラック、衣類乾燥機用のラック、デスクトップパソコン用のテーブル、椅子。

とにかく大量に注文した。

上記の家電の梱包に加えて、家具の組み立ても必死で行った。
全く仕事の休みを取らずに組み立て続けたので、毎日泣きたいくらい大変だった。


上記すべてを組み立て終わり、残るはベッドフレームだけとなった

ベッドフレームだけ、どうしても力が足りなくて組み立て終わらなかった。

泣く泣く私はしゅうたに助けを求めた。

迷惑に違いないと思っていたが、頼んでみるとあっさり了承してくれた。
ベッドフレームの組み立てと、マットレスの設置を手伝ってもらった。


あんなに悩んでいたのに、作業は一日で終わった。
しゅうたは突然呼んだにも関わらず、初めて家に呼ばれたからか、頼られたからか、嬉しそうにしていた。

意地を張らず、最初からそうすれば良かったのだ。
私はつくづく人に頼るのが苦手だ。

こんなとき、実家にいた頃母が言っていたことを思い出す。

「案外、人って頼られると断れないもんだよ。困ったらもう少し頼ってみなよ」と。