僕の傘を探しに

26歳OLの雑記

人生酒場で、本当に人生が変わるなんて誰が想像できたんだか

会った次の週の土日はバチェラーデートを既に予約していた。
 
だからデートを予約していない次の週、LINEでしゅうたとまた会う約束をした。

その間は特にLINEのやり取りはなかったと思う。

とりあえず日程を押さえておけば良いだろうくらいに思っていた。

前回のデートの際、私が新大久保が好きだと言ったのを覚えてくれていてくれたようで、次は新大久保にしようと誘ってくれた。

この時点で、しゅうたが私をかなり気に入っていることは明らかだった

彼の地元から新大久保駅までは電車で30分かかることを知っていた。
嫌いな人のためにわざわざ日程を合わせ、30分も電車に揺られて来ようとは思わないだろう。
しかもご飯代は自分の奢りか、割り勘だ。女性である私が全て支払ってくれる可能性はほぼないと言って良い。
 
さらに体目的であれば自分の家の最寄りに呼び寄せるのがセオリーだ。わざわざ来るということは、体目的でないと思って良いということでもある。


そんなしゅうたの好意とは裏腹に、私はやっと新大久保で男性とデートできると張り切っていただけだった。

早速お店の候補を何個か送った。


その際送ったのはソジュハンザン、人生酒場、ネネチキンだった。

彼は一番インスタ映えする人生酒場にしようと言ってくれた。

これは後々知ったことだが、しゅうたは人混みが大嫌いだ。恐らく無理して来てくれたのだと思う。

当日。
私は仕事終わり慌てて化粧直しをして新大久保駅にしゅうたを迎えに行った。
正直言ってしまうと到着までに私はくたくたになっていた。

人ががちゃがちゃしている新大久保駅改札前でなんとか落ち合った
バチェラーデートで人に会いすぎて、しゅうたの顔はすぐに思い出せなかった。

向こうは一瞬私が素通りしたことに驚いたみたいだ。
当時はそれほどまでにしゅうたに興味を持ってなかったとも言える。

新大久保駅から店に向かう途中、「敬語だとよそよそしすぎるから、お互いタメ語で話しましょう」と言ってくれた。


前回のデートで「関西弁が好き」と言ったからだろうか。
それとも本当によそよそしいと思っただけだろうか。

たぶん言葉通り、仲良くなりたかっただけだと思う。
彼が発する言葉に深い意味などない。

私のように一つ一つの言動を掘り下げるようなことはしないのだ。いかにもパリピらしい。

しゅうたは大阪出身で、社会人から上京してきた。
学生時代は高校、大学と彼女がいたようで、華やかな学生生活を送ってきたようだ。

会社員になってからも同期に旅行に誘われてたりしているのを見ると、私より充実した社会人生活を送っているようにみえる。

敬語をやめると、彼は今日のようにペラペラの関西弁で話始めた。私も敬語をやめるとより親しみを感じた。


少し並んで、人生酒場に入った。
狭く、人がガチャガチャしている店だ。でも席が狭いのでデートにはぴったりだと思う。

ずっとここに男性と一緒に来るのが夢だった。

念願の夢が叶った私ははしゃいでいた。
でも、はしゃいでいたのは私だけではなかったようだ。


料理が来る前に、「写真撮る?」と聞かれた。
どう考えても2人で自撮りしようという意味だ。
付き合ってもないのだから普通は撮らないだろう。

大分浮かれているのかな?とも思ったが、まあ一枚くらいなら、と思って撮ってみた。
今思うと撮っておいて本当によかった。



席につき、早速お酒と料理を注文した。
彼はお酒が苦手だった。今思うとだいぶ無理している。

私たちはジャージャー麺、チヂミ、マッコリなど、大量の韓国料理を注文した。

頼みすぎて、半分くらい残してしまった。

しゅうたは女性の私と同じくらいアルコールには弱かった。

マッコリを一杯ずつ注文したけれど、2人とも3分の1くらいで酔っぱらってしまった。

今思ってみると、アルコールと関西弁の破壊力はすさまじい。

敬語のときはもちろん標準語だったが、関西弁に変わるとより親しみやすさを感じた。

男性と人生酒場に来れた私は向こうから見てもはしゃいでいるのがばればれだったようだ。

「ももちゃん、ずっとここ来たかったんやろ。来られてほんとよかったなあ」
酔いながらそう言う彼はどこからどう見ても幸せそうに見えた。

その表情はこの人は私の幸せを心から願ってくれているのかもしれない、と思わせるだけの威力、いや、説得力があった。
付き合う前の出来事の中で一番嬉しかったかもしれない。

その後、なぜか彼は私の貯金額を聞いてきた。
500万くらいだと答えると、「俺よりあるやん。今日は割り勘にして」と言われた。

ということで、今回は割り勘になった。

仕事終わりだったので二件目は行かずに解散した。

秀太は11月中に2回旅行の約束をしていたようだった。
なので次のデートは1ヶ月後の11月下旬になった。


その日は一度目のデートより楽しく感じたが、次のデートまでバチェラーデートせずにしゅうたとのデートを待つ選択はしなかった。

彼に付き合おうと言われたわけではない。
でももし次付き合おうと言われなかったら少し残念に思ってしまうくらいの気持ちだった。
さらに、これまで2回一緒に食事をしただけだった。
だから、一日一緒にいてみて居心地が良いか確認したいとも思っていた。

そのときは大して気持ちはないように感じていた。
でも今思うと告白されなかったら残念に思ってしまうことなどほぼ経験がない。
この時点で好きだったのだと思う。
ただ、前回あったAB型の男性に4回目のデート前に「君と付き合うつもりはない」と言われて傷つき、自分から告白する勇気がなかっただけだ。

そんな臆病な私はしゅうたが楽しく旅行している間、バチェラーデートでその後5人の男性と出会い、散々な目に遭った。

バチェラーレートは低評価をつけられ続け、自己肯定感が下がっていく毎日を送っていた。
3回目のバチェラーレートが出たときだった。

2回目よりもレートは下がり、遂に1をつけられた。

もう限界だった。良いと思える人に出会えず、自分の足りないところを思い知らされる日々。
そんな状況で冷静ではいられなかった。

目の前が真っ暗になり、また新たに恋人を探す気持ちにはなれなかった

しゅうたとの3回目のデートは、このレートが公開された日だった。
たぶん木曜日だったのだと思う。

今日告白されなければ、しばらくバチェラーデートを休会しよう。

そう決めていた。

続き↓

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