僕の傘を探しに

26歳OLの雑記

誰も傷つけない別れ方をいつか必ず見つけたいと思った深夜3時【浅草デート⑤】

私はマッチングアプリで出会った28歳男性、Fさんと先日浅草デートをしてきました。

前回のデートの話はこちらからどうぞ。

 

momokoara0402.hatenablog.com

momokoara0402.hatenablog.com

momokoara0402.hatenablog.com

momokoara0402.hatenablog.com

 
そしてランチ、浅草寺花やしき河童橋商店街を回った後、さらに上野へ向かうことになりました。
ただ、河童橋商店街から上野駅まで結構な距離があり、雨の中2人でくたくたになりながら上野駅までたどり着いたのでした。

さすがにもう話すことがなく、最後の方は無言で歩いていました。
そして、丁度カフェの前でFさんが「じゃあ、コーヒーでも飲もうか」と言ってくれたので中に入ることになりました。

そしてようやく2人でソファに座ることができました。そして休憩がてらアイスコーヒーを飲みながら少し話すことにしたのでした。

さらにこの後どうしようか、という話になり、美術館、国立科学博物館の営業時間を調べましたがコロナの影響で既に閉館しており、どこへも行くことが出来そうにありませんでした。

結局次行くところは決まりませんでした。私が疲れて黙っていると、Fさんは気を利かせてiPhoneに入っている昔の写真を見せながら仕事の話と、少し前は痩せていた話をしてくれました。

Fさんの仕事の話は相変わらず面白く、私はなんだか遠い世界の話のような気がしながらも、楽しく聞いていました。
でも、問題は少し前の痩せていたときの写真を見せられたときでした。
写真はエンタメ系の人らしくまるでテレビ番組に出てくるような痩せる前、痩せた後のFさんのビフォーアフターが映っていました。「楽しそうだね」と笑いながら私が言うと、Fさんが、「やっぱ、痩せた方が良いよね」と返しました。

私は、それに対してどう返して良いのか分かりませんでした。ただ、初対面で外見を貶すのは絶対に失礼であることだけは分かっていました。なので「痩せているときの写真が一枚しかないし、実際に痩せていた頃を直接この目で見たことがないからなんとも言えないよ」と言いました。

私の中で、また何かが引っ掛かり始めました。でもすぐに何が、どう引っ掛かっているのか分かりませんでした。
私が違和感の正体について黙って考えていると、Fさんは、「明日は休みなので頑張ってジムに行きます」と言いました。

こういうとき、どうしたら良いのだろう、と私は少し慌てて、「そっかー。ジムってどこのジムに行くの?」と聞きました。
でも自分が今何を感じているのかうまく言葉にすらできない状態の私が、うまくその場を取り繕うことなんてできるはずもありませんでした。

少しFさんは、拗ねたような、傷ついたような様子でしたが最近行き始めたジムの話をしてくれました。Fさんが気を遣っていろいろ話題を振ってくれたので、表面上は会話が弾んでいるように思えました。

でも、実際私は会話しながらも心ここにあらず、という感じでずっとさっき感じた違和感について考えていました。先ほどの「瘦せた方がいいと思っているよね?」と言う質問はビデオ通話から今まで見て見ぬふりをしてきたけれど、どこかで解決しなければいけない問題の核心をついていたことにようやく気が付きました。

私はなるべくFさんの外見について触れないよう、写真と違う点を指摘しないようにしていました。ですが、なぜかFさんは外見について私が不満に思っていることに気が付いたようです。

私は、ランチでFさんがマスクを外した瞬間、昔、大学の同級生が「いつも、男の人と付き合う前に、その人とキスできるのかで付き合うかどうか決めるんだ~」と話していたのをふと思い出しました。つまり、キスできると思うのであれば付き合う、できないと思うのであれば付き合わないということです。

言い方を変えると、性的欲求を抱く対象=恋愛感情を抱く対象であるのならば、性的なことをしたいと思えるかだけを考えれば、自ずと恋愛感情を抱いているのか分かる、ということなのでしょう。
なので私も、Fさんとキスできるかをずっと考えていました。でも、どんなに考えてもそういう気持ちを抱けず、悩んでいました。

でも、私はセクシュアリティ診断でなんとなく分かっていました。私はどんなに時間をかけて信頼関係を築いたとしても、恋愛感情を抱くことはできないタイプです。だから、こうして一日割いてデートをし、一緒の時間を過ごしたとしても、それはただ友情が育まれただけで、恋愛感情が生まれたわけではないのです。
もしFさんが好きなら、ビデオ通話の時点で夢中になり、さらに今日マスクを外した瞬間ビビッと来ているはずなのです。

私はFさんを好きになれない。そして、そのことを何も伝えていないのにFさんが私と交際するために自分を変えなければいけない、と感じている時点で、私達は完全にすれ違っているのだと気づきました。

好きな人に自分を合わせることは、自分自身の良さを殺し、すり減らしてしまう行為だと個人的には思っています。3年前Sさんと付き合っていたときも、一か月前復縁しようと持ち掛けたときも、自分を殺し、Sさんに合わせるのは想像以上に辛く、毎日泣き、悩み、苦しんでいました。
好意を抱いてくれている相手にそう思わせてしまうことがどれだけ辛いことなのか自身の体験を通して理解しているにも関わらず、私が未熟であるが故に、Fさんに同じ思いをさせてしまったのです。

これ以上続けても、Fさんを傷つけてしまうだけだから、もうこの時点でデートは終わりにしなければいけなかったのです。
でも、私はそれにすぐに気づくことができませんでした。

愚かな私は、違和感を感じたまま、Fさんに、「夜ご飯食べていく?」と聞かれ、言われるがまま「うん」と答え、Fさんと一緒に夕飯を食べに行ってしまったのでした。

夕食は、一緒に牛タンを食べました。でも、私は口数が少ないままでした。Fさんは自分から話題を提供する気のない私に対して少し諦めたような、呆れたような様子で私を見つめていました。私は、罪悪感に駆られながら、モヤモヤした気持ちで牛タンを食べました。

Fさんは次は「竜とそばかすの姫」を見に行こう、と誘ってくれ、最後に連休中に行った大阪のお土産を渡してくれました。このお土産が、連絡を取っていない間も私のことを考えていたという意味を含んでいることは、もちろん気づいていました。気づいていたけれど、これ以上傷つけたくなくて、分からないふりをして受け取ったのでした。

そして、私達は解散したのでした。

そして家に帰り、お土産を開けました。

f:id:momokoara0402:20210816020422j:plain

蓋の部分に詩みたいな言葉が書かれている素敵なお菓子です

虹のかけら」。初めて見るお菓子でした。Fさんは、どんな気持ちでこのお菓子を選んだんだろう、と思うと少し胸が痛みます。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そして、今もその日射的で取ってもらったアヒルと一緒にパソコン前に置いています。

f:id:momokoara0402:20210816021335j:plain


射的のときにはかわいいとしか思わなかったアヒルが、「もう、同じことは繰り返すなよ」と言っているような気がしました。

Fさんからその日の夜少しLINEが来ましたが、現在は特にやり取りはしていない状態です。こういうとき、わざわざ「もう終わりにしましょう」と送るのも変ですし、かといって音信不通も相手を傷つけてしまうかもしれない、と思ってしまいます。
どうするのが、正解なのでしょう。永遠に分からないままです。
最終的に、申し訳ないけれど、何も送らず自然に疎遠になっていく方が良いだろうな、という結論に至ったのでした。