この記事は、過去記事マッチングアプリで出会ったAmway勧誘者を通報した話7の続きです。前回の記事はこちらからどうぞ。
Cさんから、「Amwayって知ってる?」と質問された私は絶対絶命でした。
なんて答えたらよいのでしょう。私はAさんからの好意が嘘だったことを受け入れられていない状態だし、というかたった今失恋したばかりで、その痛手を負っているところなのに。何か大事なことを判断できる精神状態ではないのに。Amwayに入るかどうかなんて、今の私にとってはどうでもいいことなのに。
ここでふと、昔不動産投資に誘われたことを思い出しました。typsisという、女性限定のマッチングアプリを利用して出会った子でした。その女の子も、最初は友達だと思っていたのに、4回目に遊ぶときになって不動産投資のセミナー勧誘をしてきました。AmwayもやっていたのでAmwayの話もしていました。どんな話をしても最終的には投資を始めてみたほうが良いという話になりました。当時その子にきっぱり不動産投資には興味がないと断り、その後友達でいる約束をしたのですが、どうしてもその子のことが信用できなくなってLINEをブロックしました。
今も、昔と同じように、私が友達が少なく、毎日退屈しているというところに付け込まれ、利用されそうになっているのです。心の中では2人に騙されてたなんて思いたくなかったれど、頭の中はとても冷静で、2人と縁を切らなければいけないことを悟りました。
私は意を決して「知ってます。昔誘われて、断ったので。」と答えました。
Cさんは何かを察したのか、今まで饒舌だったのに急に黙り込みました。ここで穏やかだった空気は一変し、なんだか空気がぴんと張り詰めたような感じがしました。Aさんだけはなぜかこりゃ一発とられた、みたいな様子で手をたたいて笑っていました(今思っても何が面白いのか理解できません)。
そう言われてもCさんは諦めていない様子でした。私がちゃんと説明を聞かずに断ったと言うと、「全部説明を聞いてから決めてほしい。今から説明するからちゃんと聞いてね。」と、言ってAmwayの説明を続けました。
それからAmwayの会社設立までの話と、Amwayの商品紹介が始まりました。Amwayの化粧品を使ってから肌の調子がよくなったとか、Amwayのサプリを飲むようになってから普段不足しがちなビタミンを補うことができたとか、そういう話でした。
得にサプリは、いろんな種類があるようでした。このまま説明をきくと、かなり長くなりそうだから、なんとか切り抜けなければいけないけれど、なんて切り出そう、と考えていたので、Cさんの説明はなにも入ってきませんでした。
CさんはAmwayの勧誘であることを明かしてから私の相槌が適当になったことに気づき、「ちゃんと反応してくれないと説明する気になれない」と言ってきました。Cさんは、自分のいうことに従わない私に心底いらだっているようでした。今までずっと私の話に耳を傾けてくれていたCさんとは別人のようでした(Cさんが気が強そうだということはなんとなく察していましたが)。
そこで、私はAmwayの商品を買う気がないのに説明をだらだら聞いているのはCさんに失礼であることに気づきました。私は思い切って、「あの、1つだけいいですか。」と切り出しました。すぐにCさんはスライドを切ってくれたので、一応話を聞く気があることに安堵しました。
私は、「ここでいくら説明してもらっても、Amwayに入る気はないし、Amwayの商品を買ってあげることもできない。だから一生懸命話を聞くことはできません。これ以上2人に嫌な思いをさせたくないので、今日はもう帰らせて下さい。本当にごめんなさい。」と伝えました。Cさんはしきりに全部説明を聞いてから決めてほしいと言っていきましたが、私はそれを遮って、とにかくここまでいろいろ楽しい集まりに呼んでくれて本当に感謝していること、感謝しているからこそ2人をこれ以上傷つけたくないことを伝えました。後から思ってみると全部Amwayの勧誘であることを隠して近づいてきた2人も悪いし、なんであのとき断るのがあんなに良くないことだと思っていたのか不思議でした。後でネットで検索してみると、このように紹介者とAmwayの説明者2人係りで断りづらい空気を作り出して勧誘する方法が、Amway勧誘では多い(ABC勧誘というそうです)と書いてあり、私は見事に空気に飲まれてしまっていただけでした。
とにかく私は「本当にごめんなさい。私が全部悪いんです。良くしてくれたのに本当にごめんなさい。今日は帰らせてください。」とひたすらに謝りました。Cさんは「これから面白いことに誘われても、そうやってシャットアウトしちゃうの?」とか、「Amwayに入ってないけど集まりに参加している子もいるから、また遊びにおいでよ」とか、「友達でいるだけでも良いから」とうまいこと引き留めようとしてきました。その度に私はCさんにごめんなさい、私は駄目な人間です、本当にごめんなさいと謝り続けました。Aさんは私もがのすごい勢いで自分を卑下し謝り続けるので、驚いている様子でした。私が自分のことを駄目な人間だと言う度にAさんは首を傾げて本当にそうかな?みたいな空気を醸し出したり、ジェスチャーでもう(そんなに謝らなくて)いいんだよ、と伝えてきていましたが、私はそんなのお構いなしにひたすらに謝り続けました。最後にCさんは、「じゃあ、私たち(AさんとCさん)みたいなAmwayやってる子は、気持ち悪いからもう会いたくないんだ?」と聞いてきました。明け透けな言い方に驚きながらも、「そうです。私は勝手な偏見でそういうことを判断する駄目な人間です。そう思って頂いて構いませんから、今日は本当にもう帰りたいです。本当にごめんなさい。」と伝えました。
Cさんは諦めてくれたようで、「分かった。最後に決めるのはあなただし。嫌ならもう連絡もしないようにする。A、駅まで送ってあげて。気をつけて帰ってね。」と言って帰してくれました。
CさんとのZOOMが切れ、言われた通りAさんは駅まで送ってくれるようでした。
Aさんは何事もなかったかのように、「じゃあ、帰ろっかー。」と言いました。
私も何事もなかったかのように帰りの支度をし、2人でシェアハウスを出ました。
シェアハウスを出た後、Aさんに、私はずっと聞きたかったことをできるだけ感情的にならないように聞くことにしました。「ねえ、どうして最初からAmwayの勧誘だって教えてくれなかったの?言うタイミングならたくさんあったよね?」とAさんに聞きました。このときの私の声色は自分でも分かるくらいに怒っていました。Aさんは怒っている私を見て危険を察知したような、少しひきつったような顔をしていました。それもそうでしょう。Cさんの前ではあんなに弱弱しく謝り倒していたのに、急に強気に出てきたのですから。Aさんは怒られることなく私と決別できると思っていたのかもしれません。
Aさんは、慌てた様子で「最初からAmwayの勧誘ですっていうと、みんな入ってくれないから、仕方ないんだ」と言いました。仕方がないって、どういうことなのでしょう。今まで私に会いたいから来たとか思わせぶりなことを言ったり、LINEで愛嬌ポーズしているクマのスタンプを送ってきたり、頻繁に連絡してきたり、駅までいつも送り迎えしてくれたのは、私のことをいいと思ってくれているからだと信じていたのに。Aさんはぶっ飛んでるけど、人の嫌がることはしない人だと思っていたのに。私は、「でも、私たちマッチングアプリで出会ったよね?」と言いました。Aさんはそれについてはそうだねとしか答えてくれませんでした。そして、「Cさんと話しているとき、謝っていたけど、Amwayに入らないのは君の考えだから、入らないなら入らないで俺はそれでいいと思ってるんだ。」と言いました。そして、Aさんは父親がAmwayのような怪しい人?に騙された経験があり、最初はAmwayが大嫌いだったこと、だけど偏見で変な団体だと決めつけるのは良くないから、Amwayは本当に悪い団体なのか今確かめている途中だと話してくれました。終始Aさんは自信がなさそうに、言い訳するようにぼそぼそと話していました。話しながら、Aさんは泣きそうになっているように見えました。
このときの私は、自分では冷静に話せていると思っていたのですが、今思うとかなり感情的になっていました。Amwayがいい団体か確かめるために私はAさんに利用されたんだと思うと腹が立ちました。
だから泣きそうになっているAさんにとどめを刺すように、「Cさんと話しているときは、私が全部悪いって言ったけれど、本当は(Aさんがここに連れてこなければこんな思いをしなくて済んだので)全部Aさんが悪いと思ってる。Aさんは最低なことをしてると思うよ。」と伝えました。Aさんから謝罪の言葉は聞けませんでした。冷静になって考えてみると、最初のバーでの集まりに参加すると決めたのも、お泊り会で実際にDのなり方を知りたいと言ったのも私だったので、私にも非はありました。また、無理にAmwayに入らなくてよいと言っているAさんが全部悪いと言ってしまったのは、自分の思いに応えてくれないAさんへの当てつけにすぎませんでした。
あっという間に改札に着き、Aさんは、「じゃあ、もう終わり?」と聞いてきました。私は「終わりに決まってるよね?」と即答しました。Aさんは下を向いていました。
私は、とにかく早く家に帰りたいと思っていたのでそれ以上Aさんとは話さず、「送ってくれてありがとう」と伝え、Aさんと別れました。
それからCさんの言っていた通り、連絡も途絶え、Aさんともう会うことはありませんでした。